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東京大学 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 院試体験記

こんにちは。モフモフスキーです。2023年(2024年4月入学予定)の数理情報学専攻の大学院試験を受験したので記録を残しておきます。これから受験する皆さんのお役にたてば幸いです。

自己紹介

どういう人がこの体験記を書いているかは大事だと思うのでそれを書いておきます。私は今回受験した数理情報学専攻の弟分に相当する学科に所属するいわゆる内部生です。学科内ではふつうな成績をとっていました。

書類選考とTOEFL

期日(筆者受験時は6/8)までに必要な書類を提出します。願書、各種証明書、検定料の他にTOEFLスコアと3ページ程度の「数理情報学に関するレポート」の提出が求められます。TOEFLについては厳密な締め切りは他の書類とは異なっていましたが、何かのミスでTOEFLスコアが認められなかったりすると悲しい気持ちになるので早めに申し込みましょう。4月くらいに一度申し込んでおけばスコアが認められなくても6月にもう一度受験するチャンスがあると思います。といいつつ、2回受験すると円ドルレート次第では7万円近く取られてしまいます。すごく遅い人は6月上旬に受けていた気がします。(これは結構まずい気がします。)私は1月に受けました。

TOEFLは合否に関係がある説とない説が存在していますが、私はない説を支持しています。

「数理情報学に関するレポート」は志望理由および関連した定理やアルゴリズムなどを説明させるレポートです。論文等を引用する際のフォーマットが指定されているのできちんと従いましょう。

作成したレポートは面接時に使用されると思うので、やっつけ仕事でやりすぎると悲しい思いをするので気を付けましょう。

共通数学

専門数学とは別日で、情報理工全体で共通の問題です。

線形代数、解析、確率統計からそれぞれ1題ずつ合計3題出題されます。試験時間は各大問ごとに50分です。個人的には意外と難しいと思います。9割くらいとって当たり前みたいな雰囲気がありますが(私の周りだけ??)、過去問でも8割も取れないことはザラにありました。過去問を見た感じ、出題されるテーマが決まっている以外には特に傾向とかそれに相当するものはなさそうです。(個人の感想です。)本番では線形代数がすごく難しく感じられて、全然解けずに悲しい気持ちになっていました。

過去問を解く事と有名な微分方程式を解けるようにしておくこと、フーリエ変換ラプラス変換の性質を抑えておく事など以外には、特別に共通数学対策は行わずに専門とまとめて勉強していたので、何を勉強していたのかは専門の部分でまとめて書こうと思います。

専門数学(数理情報学)

共通数学とは別日です。

数理情報学に関する大問5つから3つを選択する形式です。試験時間は3時間です。線形代数、解析、代数、確率統計、アルゴリズム、最適化あたりから出ます。確率統計、アルゴリズム、最適化は割と毎年出ている気がします。他は代数、線形代数微分方程式を題材にした大問が2年に1回くらい出題されます。共通数学同様、出題の題材は決まっていますが、過去問の傾向などはあまりなさそうです。(少なくとも私には感じられませんでした。)

 

勉強したこと

6月の中旬あたりから勉強を開始していました。ちょうど2か月くらいの勉強期間です。

  • 過去問
    • 共通数学と専門数学共に10年分くらいに目を通しました。ただ、先ほども書いたように特に傾向などがあるわけでもなさそうなので、本番の点数を上げるという目的に対しては沢山解いても仕方がないようにも思います。(解く事そのものが楽しければ解くといいと思います。)
  • 講義の復習
    • 講義で取り扱った簡単な命題や重要な定理の証明をさらいました。他にも各講義内容に関連した演習問題も探して解いたり、よくある計算方法なども学習していました。講義の復習に関連して、数理情報学専攻が公式に案内している勉強の参考となる図書の中で気になったものに目を通したりしました。また、東大工学部が出している「工学教程」シリーズの図書も参考になると思います。(工学教程シリーズは自分には内容が高度すぎて理解しきれなかった講義の理解の助けになったりもしました。)
  • 大学数学を取り扱っているサイトやブログの閲覧
    • 地味にこれは役に立ちました。(しかも勉強になることが多く書かれていて面白かったです。)高校数学の美しい物語理数アラカルトといったサイトを覗きました。知っておくと役に立ちそうな基本的なことが列挙されています。私が受験した年の専門数学の第一問でフロベニウスノルムと行列のトレースに関する性質を扱う問題が出たときには、こちらのサイトで見ていたのですごくうれしい気持ちになりました。

       

口述試験

私が受けた年はzoomを使用したオンライン形式での面接でした。10分程度の面接で、おそらく全ての受験者が少なくとも第一志望の教員とは面接が行えるような部屋割り振りになっていると思われます。(確証はありません。)事務的な確認と志望理由を合計3分程度で聞かれたのち、書類選考で提出したレポートと志望理由および研究したいことに関して深堀りされます。私は第一志望の教員からの質問が8割程度を占めていました。面接は私服で受験し、そのこと自体はおそらく合否に関係ないと思われるのですが、スーツで受験してもよかったなと思っています。

感想

脅かしたいわけではありませんが、(おそらく)内部生と外部生の評価基準は同じと思われるので、時の運で内部生でもかなしい結果になってしまうこともあると思います。

合格できるか不安になる気持ちもあると想像されますが、口述試験含め具体的な評価方法も公開されていないので考えすぎてもやっぱり結論は出ません。こうした不安を解消するには、落ちたあとのサブプランを考えておくか、体を動かしたり友達とご飯に行ってみたりしてストレスを昇華させるのが良いと思います。

とはいえ、過去問の中には考えていて楽しい問題も各々あると想像されますし、本格的に研究に取り組む前に基礎的なことを復習すること自体は面白いし役に立つことだと考えられるので、そこは前向きに捉えられたらいいのかもしれません。(終わった後だからこういう事を言えているだけかもしれませんが。)

この記事がお役にたてば幸いです。おわり。

 

 

本郷キャンパス周りの好きなご飯屋さんを紹介する

この記事は物工/計数 Advent Calendar 2022 3日目の記事です。

 

こんにちは。movmovskyです。

最近はコロナ禍も徐々に収まりを見せ、キャンパスに行く機会もかなり増えました。今回は本郷キャンパス周辺(本郷三丁目・東大前・根津)にあるおいしいご飯屋さんを列挙していきます。食べログのリンクも貼っているので気になったら見てみてください。

特に計数民は実験・実習の日はお昼休みが長くなります。たぶんそれは外でご飯を食べに行ってきなさいということだと私は考えています。ぜひみんなで行きましょう!

 

この記事ではご飯屋さんのカテゴリごとにおすすめのお店を挙げていきます。キャンパスに近すぎるお店とかは多くの人がいったことがあると思うのであえて抜いていたり(抜いていなかったり)していますので、そのあたりはどうかご容赦ください。

 

自己紹介

そもそもお前誰やねん感があるので簡単に自己紹介します。数理民です。野球と旅行が好きです。読んだ本や見た映画、行ったお店の記録をつけるのが好きで、Rettyアプリでご飯の記録をつけています。現在本郷周辺の訪問したご飯屋さんは70件くらいです。(チェーン店やスイーツを買っただけのお店も含めています。)卒業までに100件を目指しています。

本郷周辺で食べに行ったご飯屋さんたち

そんな感じの人です。

本郷周辺のお店を紹介

やっと本題に入れます。カテゴリごとにひたすら挙げていきます。(合計でだいたい20店舗くらいかな、、)

ちなみに、挙げるお店はすべてランチで行くことを想定しています。

イタリアン(3つ)

ピアンタ

本郷三丁目駅から徒歩3分くらいのところにあるイタリアンです。本郷通りを挟んだ反対側のところに「ピアンタモッチ」というお店もありますが、ランチで訪問したところメニューがほとんど一緒だったのでたぶん系列店です。

た喜ち

本郷通りを少し外れたところにある、ピアンタよりはもう少しだけお高いイタリアンです。ランチは1000円くらいで食べられます。(ディナーは高めだったので訪問したことないです。)

SPIGA

根津にあるパスタのお店です。根津と言いつつ、本郷キャンパスに比較的近いところにあります。人気店らしく、お昼の時間帯ちょうどに行くと並ぶことがあります。

中華(ラーメン除く)(3つ)

中華はなぜか写真が見つからなかった。。

美味しい屋

おなじみの美味しい屋です。お弁当もやってます。確か550円でボリュームのあるお弁当が食べられます。お店で食べてもおいしかったです。

 

一番餃子

これもキャンパスから大分近いお店です。いかにも町中華という感じで、定食はかなりボリュームがあります。個人的には麻婆豆腐が好きでした。(写真を載せられないのが悲しい、、)

 

赤門餃子軒

一番餃子と名前が似ており、一番餃子の隣にある中華です。雰囲気も似ていますが、赤門餃子軒の方がメニューが豊富です。

ラーメンなど麺類(3つ)

ねむ瑠

「烏賊煮干し中華そば」で有名なお店です。(写真がそれです。)ラーメンは無難に好きという程度なのですが、このお店はかなり好みで替え玉までしました。

焼きそばのまるしょう

珍しい焼きそば専門店です。医学部病院の近くにあり、お昼時は少し並びます。お昼に行ったのですが、たぶん夜にいってビールなどと一緒に食べたほうがもっと楽しめると思います。

油そば 君

本郷通り沿いにある油そばのお店です。私は幅広く油そばが好きなので、こちらのお店も好みでした。(油そばのお店って本郷にあまりないですよね??このお店以外に知っている人いたら教えてほしいです。。)

カレー(3つ)

ル・ムーラン

正門前にある洋風カレーのお店。

(写真がないのが残念です)

 

ダージリン

本郷通り沿いにあるインドカレーのお店。カレーもおいしいですが、ビリヤニも有名みたいです。

根津カレー ラッキー

根津にある地元色の強いカレー屋さんです。サービスしてもらった生姜スープがおいしかった。

定食系(6つ)

宮本

正門近くにある和食のお店です。お昼時には定食をやっており、外に並んでいる人がいることもあります。写真は日替わり定食のシラス丼。

もり川

本郷通りから少し外れたキャンパス近くにある定食屋さんです。

御殿

お高めの居酒屋。ランチもやっているので、その時間に訪問し、日替わり定食をいただきました。

トンテジ 本郷店

韓国料理のお店です。ランチで焼肉定食が食べられます。本郷三丁目から徒歩1分くらいの場所にありますが、少し奥まったところにあるので何となく隔絶感があります。以前はとん豚テジの経営だったようですが、それが変わって今ではトンテジと名前を変えているそうです。

巡りや

根津にある定食屋さん。写真は生姜焼き定食ですが、卵かけご飯でも有名みたいなので、それも注文しました。

ひのき

根津にある有名な老舗とんかつ屋さんです。

その他(2つ)

ファイヤーハウス

有名なハンバーガーのお店。アップルバーガーとアボガドバーガーがおすすめです。

清流うなぎ 月島

最近できたうなぎのお店。お財布がアレだったので一番安いうなぎ定食をいただきました。(1200円くらい)

おわりに

今日は本郷キャンパス周辺にあるご飯屋さんをひたすら挙げました。特にインドカレーやラーメンのお店なんかは、ここに挙げたもの以外にも有名でおいしいお店がいっぱいありそうなので、調べてみてください。

私は根津の開拓を時間のある時に進めて、卒業までに合計100件の訪問を目指します。。

 

おわり

計数工学科の授業をざっくりと紹介します

こんにちは。モフモフスキー(rab (@movmovsky) / Twitter)です。

今日は私(記事執筆時で学部3年)が所属している計数工学科の授業を紹介したいと思います。新しく計数に内定された方や進学を考えている方にも、学科HPには載っていない授業の所感などをお届けできたらなと考えています。

(底点等の進学するまでの情報って結構潤沢ですけど、入った後の情報って比較的少ないですよね..)

 

なお、現在私が学部3年なこともあり、本記事では計数進学後の2Aセメスターと3Sセメスターのみに絞って話していくので、その点ご承知おきください。

 

3Aセメスター以降の授業に関してはこちらの記事などに詳しく書かれています。

(2Aや3Sの情報もあります)

 

注意

  • 講義の感想はあくまで個人のものである点ご承知おきください。
  • カリキュラムは執筆者が履修した当時のもので、最新の情報は必ず公式HPや便覧等を確認するようにしてください。(卒業に必要な単位数など書いたほうが親切なのかもしれませんが、正確な情報を必ずしも提供できない点から省略させていただきます。成績評価方法やテスト形式なども、下にあるようにオンライン授業で事情が異なることが予想される為あまり話をしません。)
  • 記事執筆当時はほとんどの授業がオンラインで行われていました。よって対面で行われる場合では事実上不可能な履修をしているかもしれません。
  • 自分が履修した科目のみ記載しているので、もしかしたら定番の授業とかの話をしていないかもしれません。(私は数理コースなのでシステムコース志望の方などは留意してください。)

 

ではさっそく始めていきます!(^^)

 

全体を通して

1年くらい授業を受けてて、「これやっておいて良かったな」とか「これやってなかったら少し苦労するかも」と思ったことを書いておきます。

プログラミング

計数に進学を考えている方でプログラミングができない事を不安に思われている方をたまにお見かけするのですが、「適当な言語(Pythonとか)になんとなく触ったことがある」程度でおそらく十分だと思います。具体的にはfor文とか配列とか知っていて何回か書いたことがあれば、後述するC言語の授業を除いて、課題も問題なく行えると考えています。C言語の授業(3Sセメスター)はちょっとだけ苦労するかもしれませんが、カリキュラム的にも3SセメスターはこのC言語の授業にそれなりの時間を割くことが想定されているはずです。少なくない人がC言語初めてという状態で臨んでいます。(私もそうでした)

TeX

数式などを含んだ文章をキレイに書けるツールです。3Sセメスターになると実験の提出の際にTeXの使用を推奨されることが有ります。多分TeXを使用しなくても切り抜けられると思いますが、遅くともこのあたりでTeXの使用を始めるのがおすすめです。ローカルにTeXの環境構築をしてもよいですし、Overleaf等のクラウドツールを使用してもよいと思います。

履修を決めておく

計数工学科の卒業には一定以上の単位数が必要になるほか、授業のカテゴリごとにも一定以上の単位数が必要になります。カテゴリによってはある学期にしか開講されないことがあるので、あらかじめ4年次までの履修を決めておくことをおすすめします。

2Aセメスター

2Aセメスターはターム制の講義をいくつか履修したので2種類の時間割があります。他学部の授業もいくつか取りましたが、紹介するのは計数の授業のみにします。

 

左が2A1ターム・右が2A2タームの時間割

授業のカテゴライズとして「数理系」「システム系」「物工系」「実験系」としていますが公式なものでは無いです。授業の紹介がしやすいように執筆者の主観で分類しています。

数理系

最適化手法

最急降下法やNewton法などの基本的な最適化アルゴリズムからはじまり、後半ではDijkstra法等の離散最適化アルゴリズムを扱います。競技プログラミングをやっている人は後半のパートを楽しんでいる様子でした。個人的には「双対」という考え方が面白いと感じました。

数値解析

連立一次方程式の求解や積分計算といった様々な問題を計算機上で解決するための基本的手法を学習します。

基礎数理

「基礎」とついていますが2Aセメスターで最も難しい授業でした。二項関係グラフ理論、関数の収束、工学の為の線形代数など幅広く学びます。幅広いからといってそれぞれのトピックを浅く触れるのにとどまるのではなく、授業は爆速で進んでいきました。グラフ理論は比較的面白かったです。本講義では線形代数も扱うのですが、教養でやっていたのでタカをくくっていたら結果的に最も難しいトピックでした。

また、授業内で出てくる質問の内容が極めて高度で圧倒されたのを覚えています。それに対する教授の解答も含めてヤムチャ視点でみていました。

数学1D

工学部他学科と合同で「常微分方程式変分法・ベクトル解析」について学びます。詳しくはわからないのですが、変分法解析力学寄りの内容で難しかったです。

数学及び力学演習Ⅰ

数学1Dと全く同様に「常微分方程式変分法・ベクトル解析」について学習します。数学1Dの演習授業というわけでは特段ありません。挙手制で解いた問題を発表する形式なのですが、学科の方の発表のクオリティが非常に高くて驚きました。想定されている解法を解説した後、別解を何個も紹介する人、ビジュアライズしてみる人など各々が発表に対して真剣に取り組んでいて刺激を受けました。

システム系

回路とシステムの基礎

A1タームに週2回行われる授業です。線形時不変システムを中心に取扱い、システムの安定性や伝達関数の諸性質について基本的なことを勉強しました。色々と応用先があるとは思いますが、信号処理や制御論などに話が広がっていきます。地味にこの授業好きでした。

計測通論C

様々な物理量を計測するための手法について解説していきます。2Aセメスターの他の授業が様々な分野の基礎を扱う中で、この授業は実際に使われている計測手法を細かく1つ1つ見ていきます。授業の初回で「計測なくして科学なし」と教授がおっしゃっていたのを覚えており、私もそうだなと感じたのですが、これ準必修である必要あるのか...?

物工系

2Aセメスターは卒業単位の関係上、計数の学生も物工開講の授業を受ける人が多いです。何か得られるものがあるのではないかと思って臨んだのですが、結果的にはなかなか積極的になることはできませんでした。。(悲しい)

物理にあまり詳しくないので、物工系の授業の紹介は軽めにします。

統計熱力学

教養でやった熱力学の内容(maxwellの関係式とか)を前半で復習した後、後半でカノニカル分布などを学習します。

電磁気学第一

ほとんど教養の電磁気学と同じです。

量子力学第一

量子力学演算子や、期待値、不確定性原理など量子力学の基礎を学びます。

波動関数角運動量、摂動論の話など非常に盛りだくさんです。

あと成績が公開されるのが凄く遅いです。

物理数学

上の3つの講義の発表形式の演習授業です。

3Sセメスター

正式に数理コースへの配属が決まり、授業も徐々に数理系の内容が中心になり始めました。3Sの特徴としては〇〇数理工学という数理コースの授業が始まるほか、実験やプログラミング演習が始まることが挙げられます。

3Sセメスターの時間割



数理・システム共通系

計数工学実験

計数の各研究室が用意した実験を通して基本的な実験のお作法などを学びます。1つの実験に対して3週程度かけて、1セメスター通して合計4種類くらいの実験を行います。半分以上の実験でmatlabを使うので終わった後はmatlabが少しわかるようになります。きちんと実験の予習してきている人が多く、班内で詳しいディスカッションができることが多かったのがとても良かったです。

計数工学プログラミング演習・数理情報工学演習第一C

C言語を用いて動的計画法やソートアルゴリズムDijkstra法などの基本的なアルゴリズムの実装法を学びます。プログラミングがあまり得意でない人にとってはこの授業のペースは結構早く感じると思います。ポインタの説明とかはあまりありません。プログラミングの知識が事前に無くともで授業だけで学習が終わる、と言ってしまうとちょっと嘘になるので、必要に応じて自分で調べたりする必要があると思います。

数理系

代数数理工学

普通の代数の授業です。基礎数理で扱った二項関係の復習をした後、群環体、そしてグレブナー基底などに話がつながっていきます。この授業は様々な概念がハイペースに飛んでくるので一つ一つ抑えないとちょっと厳しくなります。ちなみに私は後述の解析と確率を含めた数理工学シリーズの中で一番好きな講義でした。

解析数理工学

測度論の話からルベーグ積分の話へとつながっていきます。詳しくは知らないですが、ガッツリ金融工学の話をやるとこの授業の内容が活きてくるらしいです。(他にも様々な分野の裏で動いている分野なので学習すると助けられる場面があるかもしれません。)

確率数理工学

測度論を微妙に絡めた確率空間の話から始まり、様々な確率分布、確率不等式、確率の収束(パチンコ)大数の法則中心極限定理、確率過程、マルコフ連鎖など様々なトピックを扱います。教授曰く、確率空間・確率収束・大数の法則中心極限定理の理解が講義の主目的であるそうです。

数理情報工学演習第一A

〇〇数理工学シリーズの発表形式の演習授業です。全員が最低3回発表することが求められます。いいカンジな発表のトレーニングになりました。全員が発表するタイプの授業であるのにも関わらず発表が全員しっかりしていて刺激を受けました。

数学2D

発表形式の演習の授業です。複素関数論とフーリエ変換ラプラス変換を扱いました。学期のはじめは留数定理ってナンだ?みたいな状態だったので、キレイな定理で感動しました。

システム系

3Sセメスターにおいて〇〇第一という名前の計数の授業はシステム系の授業です。いくつか履修しました。システム系の話はちょっと軽めにすることにします。

回路学第一

等価回路やオペアンプ、スイッチング回路、DA変換、AD変換に関する内容を扱います。

認識行動システム論第一

エンタメ性の高い授業です。ある意味で3Sで一番面白い授業でした。前半でVRを通した人間と機械の融合の可能性について考えた後、後半で認識行動システムに関する学術的トピックをざっと見ていきます。

制御論第一

制御論の基礎を学習する授業です。2Aの回路とシステムの基礎で学んだ内容を復習した後、ボード線図やナイキストの安定判別法、ロバスト制御やPID制御などの制御論の基本的概念をつかむことを目標にします。今のところ研究トピックにするつもりはないですが、個人的には結構面白い授業の一つでした。

信号処理論第一

前半で各種フーリエ変換を学んだ後、離散時間線形時不変システムやフィルタの設計について学習します。

計算システム論第一

システム系の授業の中では一番好きな授業でした。論理回路の表現法から始まり、論理合成や演算回路の構成について学びます。講義の最後にはアセンブリ言語やプロセッサの構成について少し触れて終わります。

前半パートはパズル要素が強く面白かったです。

3Aセメスターの計算システム論第二ではコンピュータシステムの構成について話が続いていくそうなので履修しようかなと考えています。

進学以降の1年を振り返って

進学してからあっという間に1年が経ちました。こうして振り返ってみると、授業についていくだけで必死だったものの、頑張っている同期に囲まれているうちに結構成長したのかもなと感じます。3Aはより自分の興味のある履修が組めると思うので、さらに主体的に学習を進めていけたらなと考えています。

 

総じて、計数工学科には様々なことに真剣に取り組む学生が多いです。授業などを通して出会う学生は皆それぞれ何かしらに良いところがあるなあと感じます。学科の授業に真剣に取り組む学生、自分の興味内容(競プロとか)を深めていく学生、課外活動に精を出す学生、資格取得に励む学生など、熱意を持って取り組んでおり、日々刺激を受けています。

 

進学選択から1年経ちましたが、もう一度学科を選べと言われたら計数か工学部電子情報工学科を選びます。(なんで急に電情が出てきた?)

計数進学を考えている学生、計数に進学が決定した学生に少しでもこの記事が役に立てば幸いです。

 

おわり

日鉄ソリューションズ(NSSOL)研究インターンシップ参加記

モフモフスキーです。 数日前まで3週間の研究インターンシップに参加したので、やったことや感じたことをまとめます。今後NSSOLの研究インターンに参加される方のご参考になればと思います。

参加したきっかけ

学部3年で院進予定なので就職活動をしているわけではないのですが、所属している大学のPBLプログラムの一環として本インターンの案内が来て参加を決めました。

みなとみらい(ご飯と野球)

インターンで訪問したシステム研究開発センターは横浜(みなとみらい)にオフィスがあります。京浜東北線桜木町駅から徒歩10分程度の場所にオフィスビルを構え、ビルまでの道からは有名な帆船日本丸や観覧車が見えます。街中にゴンドラも通っていて非常にキラキラした街でした。

帆船日本丸と観覧車(出典:https://happycruise.jp/yokohama-sightseeingspot-free/

何度か出社した際にはランチに連れて行っていただきました。第二週にはランドマークタワーの最上階の「シリウス」というレストランに行きました。景色も素晴らしかったでしたし料理も非常に美味しく、社会人スゲー、みなとみらいスゲーとなりました。(語彙力が、、)

それ以外にランチをとった場所もお洒落で私が普段通っている大学の周りとは非常に雰囲気が違う街で新鮮でした。

プライベートでは勤務後に横浜スタジアムで巨人-DeNA戦を観戦してきました。DeNAは投手5人の継投、巨人は戸郷-高梨の継投でしたが、非常に緊迫した試合で見ごたえがありました。普段ハマスタには足を伸ばさないので良い体験でしたね。

インターンが始まるまで

私が参加したグループは安全なデータ活用を促進するための研究を行っています。今回は「秘密計算・準同型暗号」をテーマとして扱いました。プライバシー保護を行う技術としては他にも色々とあるのですが、私自身の興味もふまえて決定してくださいました。(ありがとうございます。)

秘密計算を扱っている日本語の書籍はそれほど多くなかったので適当なウェブサイトなどを見て勉強していました。院生の方などは論文を事前(または1日目)に渡されて読んでくるということもあるそうです。

第1週

人事部の方のオリエンテーションでNSSOLに関する説明や簡単な自己紹介を行ったのち、早速業務を開始しました。 準同型暗号をPythonで扱うことのできるPyfhelライブラリを用いて基本的な統計値を実装し、計算時間やメモリの使用量を見たりしました。やっぱり暗号化すると遅いし重いなという感じでした。(この辺の話は軽めにします。)

先程も書きましたがお昼休みには食事につれていっていただきました。グループ内に同大学同学科の社員さんが2人いたので、授業や研究室の話などをしていました。

第2週

第1週でPyfhelライブラリでやったことをGoogle社が開発したTFHE transpiler(名前はまだない)を用いて実行しました。細かいことはここでは省きますが、Pyfhelを用いるよりも遥かに遅いし重いなあという感じでした。この週から最終報告スライドの作成をはじめました。

第3週

第1週や第2週で出てきた結果を整理しつつスライドの作成を進めました。早い段階でスライドの作成をすることができたため非常に多くのフィードバックをいただきました。最終日の午後に20分の成果発表を行いました。対面の発表は仲間内でしかやったことがなかったので結構緊張しました。

最終日の夜にはオフィス近くの「ロイヤル アスコット」というバーに連れて行ってもらいました。バーは普段行かないので大体のお酒はよくわかりませんでしたが、ジャックダニエルマルガリータ(とビール)を注文しました。マルガリータは特徴のある風味だったのでまだ覚えています。今度プライベートでも行ってみようかな、バー。

感想

準同型暗号に関する日本語の情報はさほど多くなかったので適宜英語資料を読む必要がありました。情報を集める体力のようなものが不足しているなと感じたので、卒論や修論でそのあたりの力を養いたいと感じています。インターンを通して卒論や修論で扱ってみたいテーマもいくつか浮かんだので、その意味でも非常に楽しみです。

最終資料作成にあたっては初めて資料を見た人が理解しやすいスライドを作成することを意識していました。自分なりのスライドの作成のコツのようなものが構築されつつあったので、それを適宜応用する形で取り組めました。(これはよかったです。)

自分の中でノウハウを少しでも掴めているものは作業がスムーズに進められました。今後の学生生活で「掴めているもの」の種類や幅を広げたいと考えています。

また提供する資料、情報やサービスなどを理解しやすい、使いやすい形で提供、発信する重要性を学びました。学生の間は学んだことなどを外部に発信する作業を繰り返す事にします。

最後に技術的な話に関する感想についてもまとめます。(最終発表などではあまりまとめなかったので)
総じて、ツールや操作として知らないものが非常に多かったです。仮想環境やdockerの使用法、Linuxのコマンドなどで基本的なことを知らなかったのでグループ内の方を頼ることが多かったです。ツールの導入などに躓いた際もググって周辺情報を見ればわかるもの以外は殆どグループの方を頼ってしまいました。このあたりは今後勉強したいという思いが強まっています。

今後

ひとまず、この記事以外にも、今回の調査で学んだが資料としてはまとめなかった部分についてQiitaで記事を書きました。

また、最終日にグループ内の社員さんからたくさんの本をいただきました。(ありがとうございます。)
その中に個人情報保護士の資格試験のテキストがありました。今年の12月に試験があるみたいなので受けてみようと思います。

いまは夏休みの後半は何をして過ごそうか考えています。先日ゴルフの打ちっぱなしに友人と行ったのですが、すごく気持ちよかったのでゴルフを開拓してみようかなとも考えています。(クラブなどは非常に高価ですが、打ちっぱなし自体は現実的な値段なので行けそうです。)

ほかにも、データセキュリティ周りの調査をしているうちに2,3社インターンをしてみたいなあと思う企業があったのでそちらの面接を受けてみようと思っています。

本当に貴重な経験をさせていただき、今後の学生生活につながる3週間でした。人事の方々や、グループのメンバーの方を含めたシス研の方々に大変お世話になりました。私自身に行えることには限りがありますが、この経験を何かしらの形で恩返したいと考えています。ありがとうございました。